2011年10月12日水曜日

NOBEL BIOCARE  幕張プラント  その2

プラント内を案内をしてくださったのは、プロダクションマネージャーの岡山さんです。
優しい面持をしながら、細かい質問にも丁寧に答えていただきました。

プラント入り口の扉を開けると、そこには「 写真で見たことがある 別世界 」が広がっていました。

入ってすぐ右手に5軸のジルコニア用CAMが並んでいて、実際に削り出しているトコロを見せていただいたり、大きな棚に並べてある削る前の半焼結ブロックを手に持たせてくれたり、適合試験用のプラスチック製の支台歯を触らせてもらいました。

切削するマテリアルに関わらず、注油下での切削のその液体は90%が水で10%が植物油ということは知りませんでした。

5軸それぞれのデータが液晶画面上で目まぐるしく変わりながら、ジルコニアブロックが結構な圧で注油されながら、それはまるでジャブジャブの水だらけの空間にジルコニアブロックが浮いていて、そこに切削バーがダイナミックに削り込んでいっているという不思議な様子でした。

ジルコニア単冠のラインや、今年の末にいよいよ始まるというe.maxCADの最新CAMなどを見て、大きなエレベーターに乗って1階に移動しました。

ノーベルで扱うe.maxは2ケイ酸リチウムセラミックが半焼結の状態でユーザーに納品されるので、ユーザーはイボクラのファーネスを持っていないとクリスタライゼーション出来ないというハードルがあります。逆に利点としては、ジルコニアのフレームを支台歯としてスキャンしてe.maxを削り出してもらえば、クリスタライゼーションの工程でコネクト陶材によって化学的に結合させ一体化できるということです。

今のところ単冠のみの製作ですが、これが複数歯対応になれば相当な存在になるのではないかと思っています。

バーアタッチメントの工程には研磨専門の技工士さんがいて、そこで仕事をするためには入社後2ヶ月間スウェーデンへ行って研磨の研修を受けなければならない、ということでした。
実際に研磨したサンプルを見せてもらいましたが、一般的な手研磨による仕上げとは思えない、まるでi podの裏蓋は日本の匠の技、というのと同じレベルを感じました。


削り出された製品は最後に検査を受けてOKだったら出荷されるということですが、その検査に使われていたスコープのようなものが逸品でした。

Vision Engineering社 の Mantis Elite です。  HPはこちら

これも作業しているスタッフの方に席を譲っていただき、実際に覗かせていただきましたが、もう見た瞬間に「これ凄い! 皆も見せてもらって!」と声に出してしまいました。

メガネをかけていようと、裸眼だろうと、のぞき窓(?)に顔が接触することなく見ることが出来、それでも手元が程好く拡大され、明るさも目が疲れない範囲で細部まで見える程度に調整され、被写界深度も浅くありません。 これはぜひ欲しいと思いました。



見学が終わりプラントをあとにしようとしたところ、出入口付近にある大きなモニターに「 株式会社サヤカ 御一行様 」と表示されていました。

「ちょっと作ってみました」とノーベルの方。サービス精神満点で恐縮です。
プラント内は例外なく撮影厳禁ですが、プラントマネージャーの知名さんの計らいに甘え・・・

知名さんと一緒にパチリ♪



プラントの皆様には仕事中のところ大変ご迷惑を掛けながらも、細々と見学させていただき、ありがとうございました。

その後は休憩をはさんで、私の臨床を通した「インプラント技工」「CAD/CAMで出来ること」などを講義させていただき、本日の予定を全て無事に終了することが出来ました。

埼玉歯科技工士専門学校の計らいとノーベル・バイオケア・ジャパンの協力で、今回の見学会が実現しました。

八木田先生を始め学校内の調整などをしていただいた方々皆様に感謝申し上げます。
また、待ち合わせの最初から、見学、講義、駅までの見送りまで、重厚で手厚い対応をしてくださった瀬川さん、佐々木さん、山本さん、室塚さん、そしてプラント内の全てにおいて大変親切に対応してくださった岡山さん、知名さん、そしてスタッフの皆様に感謝申し上げます。


ありがとうございました。

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